小説版『魔王物語物語』読んだ(※ネタバレあり)

気づいた原作との相違点

  • 自分の物語を終わらせた後もナナ、ヒクグモはヒマリと協力し、最終決戦において魔王と戦う。三人目さん…
  • 原作ではナナはジョルの誘いをはっきりと拒絶していたのだが、小説版では曖昧なまま逃げ出したことになっている
  • アーロン^2が影も形もない
  • モールさんがいない
  • レーラリラさんはただのいい人。もちろん「チンポ野郎」なんて言ったりしません

気になった点

  • アレスの名前はどこにも出てこない。ハロルドとの会話シーン再現はあるのだが
  • アレス、フロドナ、アイリッツの関係性は全く描写されていない
  • 「ぼくはできる子」を踏まえた描写がある

原作中では謎が多かったハロルド・ディスター周りの補完がされているのが良かった。容姿や、物語に対する考え方、そしてヒマリとの接点。
まあ特に最後は原作での描写との整合性に問題があるのでどれも小説版だけの設定と思ったほうが良さそうですが。

実はハロルドがヒマリたちの前に現れて会話をするというのは自分が考えてた『魔王物語物語』の二次創作にも入れたいと思っていたので、僭越ながら「先にやられたか」と思ってしまったり。

追記

あとがきで原作者のてつさんは、「フリーゲーム」は「好き勝手につくることができる」とし、「好き勝手」の例として「外的な都合による締め切りに追われることもな」いことを挙げています。

コミケなどのイベントが活動の中心である同人ソフトの方面からは「締め切りが設定されていないと完成させられない」という話をよく聞くのですが、やはりそうした点でフリーゲームの文化とは異なるのだなと感じます。

個人的な経験から感じることなのですが、『魔王物語物語』のような全方面、特にストーリーテリングの部分で独自性が高くかつ完成度の高いRPGは「フリーゲーム」以外からはほとんど出ていない気がします。